農業遺産登録申請を目指した風土共創によるSDGsイ二シャチブ

担当:
地球環境科学部教授 後藤真太郎

連携先
比企丘陵農業遺産推進協議会(滑川町、熊谷市、東松山市、小川町、嵐山町、吉見町、寄居町、JA埼玉中央、JAくまがや)、TJUP(東京電機大学、城西大学など)
ここから武蔵コンソーシアム、NPOくまがや、㈱埼玉復興、㈱ヘリティジファーム、
株式会社EPS、特例子会社(株)イーピービズ、農事組合法人 小原営農

Keyword:TJUP支援費2種、SDGs、世界農業遺産、日本農業遺産、市民活動、エディブルスクールヤード、
農福連携、リモートセンシング、GIS、LiDAR、点群、ドローン、環境、農業、6次産業、埼玉県、比企丘陵

2020年ジオ展プレゼン 11/27 12:50-13:00 日本・世界農業遺産のGIS

目的
対象地域である比企丘陵ではため池を沼と称し、地形的には谷津田地形にあることから、谷津沼といわれている。この地域で1500年以上の歴史の中で養われた谷津沼農業文化に改めて着目し、日本・世界農業遺産に登録申請するため、滑川町、熊谷市、深谷市、東松山市、小川町、嵐山町、吉見町、寄居町で構成される協議会が2017/7/7に発足し、申請に向けた様々な活動が実施されているが、それ等の横軸を貫く活動が望まれおり、農業遺産登録後を視野に入れ、これを維持するために、農業遺産登録をテコにして比企丘陵に位置する自治体の活性化を目指すことは文化の維持のためにも必然である。
谷津沼農業文化では、農業を営んで生活していくために地域資源である風土を利用しながらヒト、モノ、自然、水土をトータルなエコシステムとして共創されて形成されてきたものであり、まさに、風土共創の賜物である。
立正大学谷津田イノベーション研究会(代表:後藤真太郎)は発足から1.5年の団体であり、産学官連携や農福連携により、谷津田でのコメ作り、日本酒造り、ぶどう園・オリーブ園準備、農泊ツアー、エコツーリズムなどが精力的に進められており、各々の事業をくくる仕組みが必要となってきている。
本研究では、2020年の農業遺産登録申請を目標に、これまで風土共創によって築かれてきた谷津沼農業文化を維持するために、内外と価値を共創し、経済循環に繋げる仕組みをSDGsの視点で構築する。その過程で、多様なステークホルダーとの連携・共創による社会課題や解決のボトルネックの明確化・シナリオ創出から社会課題のソリューション創出にいたるまでの道筋をつけることを目的とする。

内容:
■本研究(事業)課題の核心をなす学術的「問い」
SDGs研究としては、1500年前から持続している「ため池の水管理」に伝承される手法を参考にしつつ、そのような水管理が成立した背景に配慮して5年先、10年先のゴールを設定する。
また、その実践のために、6次産業化のネットワークは必須である。昨年度の米作り、日本酒醸造から先の6次産業化の準備が必要になる。加えて、ため池-谷津田の物質循環の解明、スマート農業に導入による生産効率の向上のための研究は高付加価値な農業の推進、若手の農業就農に必要である。

■本研究(事業)期間内に何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
① プロジェクトのSDGs的検討
これまでの谷津田イノベーション研究会内で行われているプロジェクト間のネットワークを見直すべく、SDGs的に整理し、比企丘陵内の農業遺産登録申請後の経済循環のネットワークを構想し価値共創を行う。
ため池の水管理の歴史調査
①の過程で谷津沼車座(ワークショップ)を開催し、ため池の水管理の歴史を取りまとめる。
6次産業化ネットワークの構築
プロジェクト間のネットワークの中核となる6次産業につき、昨年度の米作り、日本酒醸造から先の6次産業化の準備として、日本酒の販売ネットワーク化、新たな組織を加えネットワークを構築する。
ため池-谷津田の物質循環の解明、スマート農業に導入による生産効率の向上のための基礎研究

参考:後藤真太郎編(2018)『比企丘陵の風土共創 ―サト、マチ、ヒトのエコシステム-』立正大学谷津田イノベーション研究会

関連URL:
https://www.facebook.com/groups/819540268226596/
メディア取材:
https://kumagaya.keizai.biz/headline/641?fbclid=IwAR3zXfTavs2kQgDzb_inIOKSUVeJgVzAuXqwmtfPw45JfNq_C12Uzjq_tVo