【H29年度第2種】社会福祉法人のガバナンスのあり方に関する研究—社会的企業化に向けた経営モデルの開発—

担当:

社会福祉学部 専任講師 川本健太郎
関西学院大学 実習助手 竹内智明
社会福祉法人からし種の会 理事長 山崎ハコネ

内容:

本研究は、社会福祉法人を対象に、社会福祉法人を取り巻く一連の制度改革について、社会保障政策(社会福祉分野)の動向、並びに、社会福祉法人制度改革について文献調査を行い、①ガバナンス改革、②インフラ・アセット、③参加型CoW経営の3つの視点からケーススタディを行った。
 文献調査では、社会福祉基礎構造改革以降の社会保障審議会議事録他、レポートを分析した。基礎構造改革以降急進する「(準)市場化」によるセーフティネットの脆弱化、また、そこを補填するための「地域(福祉)化」への流れの中で、「社会福祉法人ありかた検討委員会」による議論が進んできたことが明らかっとなった。そして、これらの財政縮小を目的とした社会福祉法人制度改革は、社会福祉法人の活動制約となり、延いては、福祉を享受する権利の縮減につながりかねないとの認識に至った。そこで、積極的公益活動の推進のあり方を社会的企業論に求め、欧米の社会的企業論の系譜と日本の導入状況として論文をまとめた。
 こうした理論的な整理と同時にケーススタディを並行して行ってきた。申請書に記載した事例候補地のうち、石川県に所在する社福)佛子園を社会福祉法人の社会的企業化の先駆事例としてとりあげた。また、地域公益活動のプログラムについて追加的に研究を行う必要性から、法人格を問わず、NPO法人いけま福祉センター、NPO法人つどい場さくらちゃん(計画に記載なし)などの調査を行ってきた。これらの成果の中間報告として、2017年度(日本地域福祉学会・日本社会福祉学会)に2回の学会報告を行っている。