【H29年度第5種】地域デザイン・ブランディングによる経済活動活性化方策に関する研究

担当:
経済学部 准教授 櫻井一宏  
経済学部 講師 小林隆史
経済学部 特任教授 鈴木輝隆

内容:
1.概要
 本研究では、地域経済活性化に結びつけるべく、さまざまな活動をプラニングあるいは実践している全国の先進事例および現
在進行形の活動地域について調査・分析を行うことを目的とする。特に、地域の諸活動に関するデザインやブランディング戦略
を立案・推進することで、これまでにない地域の価値向上、観光など経済活性化につなげる活動を進めている地域を対象とする。
また、本学学生によるフィールドワークにおいて地域の情報収集や活動を協働することにより、地域への貢献および彼ら学生自
身への実践的な教育をねらいとするものである。

2.背景と目的
昭和から平成にかけて、高度経済成長期における工業地域開発やバブル期のリゾート開発、中心市街地活性化や都市再生など、
各時代で官主導の地域振興政策が推進されてきた。しかしながら、地域活性化のための統一的マニュアルは未だ存在せず、各地
域によりさまざまな現状がある。地域においては、地元住民はじめ民間企業、その他の地域関係者など、多様なステークホルダー
が参画し、地元行政のバックアップとあわせて地域における諸活動を活性化させ、最終的に経済効果を生むように方向付けるこ
とが必要とされており、それを目標としてさまざまな活動がみられる。
 そこで、本研究では、地域のデザイン・ブランディング戦略を中心に、先進的な事例や現在プラニングを進めている地域を対
象として、地域と学生との協働を含めて調査・分析を行うことを目的とする。

3.調査・協働
現地調査(見学・訪問) ⇨ 情報収集(ヒアリング等) ⇨ 地域活動への参加 ⇨ 調査内容とりまとめ ⇨ プレゼンテーション

4.対象地域
品川区戸越銀座商店街 / 広島県尾道市 / 長野県長野市松代・小布施町 / 北海道東川町 / 鹿児島県天城町

4-1.鹿児島県天城町フィールドワーク
「天城町平土野(へとの)地区の活性化」
徳之島にある 3 町のうちのひとつ天城町の中心市街地で
ある平土野地区の活性化をテーマにワークショップを実
施した。地元の町役場、商工会議所等の関係者、住民や
地域おこし協力隊の方などと本学の学生 6 名が数グルー
プに分かれ、平土野地区を歩き、情報収集を行い、ディ
スカッションの上、地域の課題、今後の活性化方策など
についてとりまとめ、プレゼンテーションを行った。

4-2.東京都品川区フィールドワーク
「戸越銀座商店街の賑わいを測る」
賑わいを指数化するために、戸越銀座駅前と商店街端の
2 地点で歩行者通行量を比較し、10 倍以上の人通りの開
きがあった。買い回りで 1km もの距離を歩かせるのは容
易ではないことを体感した。

4-3.長野県長野市松代・小布施町フィールドワーク
「歴史の街,観光の街を巡る」
住民自らが地域の歴史と町なみ景観を大切にし、個性あ
る町を実現している長野市松代と小布施町を巡った。住
民自治の地域経営により持続可能な町が実現されている
ことが実感できた。学生は事前調査から現地でのヒアリ
ングや体験、さらに最終日には小布施町役場において成
果発表を行った。
長野市松代でのフィールドワークの様子は長野市民新聞
(2017 年 9 月 7 日版)に掲載され、小布施町での様子は,
雑誌 KURA(2017 年 11 月号:( 株 ) まちなみカントリー
プレス発行)に取り上げられた。

4-4.広島県尾道市フィールドワーク
「空き家再生から学ぶ」
日本では空き家問題が課題で、その再生モデルとなる尾
道市でのフィールドワークは、これからの仕事や人生で
役に立つことと思う。尾道市のフィールドワークでは、
尾道空き家再生プロジェクトの協力のもと、活動や地域
の再生と住民組織としての NPO とは何か、行政との協
働について学び、また、若い経営者である山根社長から
はリーダーシップや地域に根差した会社経営のポイント
まで、学ぶことは多かった。学生はこれからの人生の大
切なことをしっかりと学んだと思う。

4-5.北海道東川町フィールドワーク
「東川町の個性的な政策」
元気のいい町のひとつに、北海道東川町がある。町では
行政が先見性のある政策を次々と実行し、その効果もあ
り民間の活力も着実に伸びている。例え空き店舗が出た
としても、毎年魅力的な店が新たに複数誕生している。
移住者は年々増加し、海外からの長期留学生も多数滞在
し、人口が 7 千人台から 8 千人台になっている。

5.ポスターリンク
H29第5種ポスター(櫻井一宏)