【H30第2種】当事者研究と哲学対話によるものづくり研究 

担当

文学部哲学科 教授 田坂さつき
社会福祉法人訪問の家 理事長 名里晴美
NPO法人ICT救助隊 理事長 今井啓二
湘南工科大学 専任講師 木村広幸

内容

平成30年度福祉ものづくり製作品は、29年度センター支援費2種の助成を受けてITP-SLで製作したALS患者特有の肢体の違和感を軽減するマッサージ機「ひとごこち」の改良、重度の障がい者のための楽器製作。製作については、湘南工科大学の木村研究室の協力を得て、製作指導はALS技術ピアサポータ久住純司氏に依頼し、ALS患者や社会福祉法人訪問の家、NPO法人ICT救助隊にも協力を求めた。本年度は、社会福祉法人訪問の家とNPO法人ICT救助隊、湘南工科大学協定(覚書)締結してから、以下の通り活動した。
6月17日(日)にNPO法人ICT救助隊と共催で、第二回ALS患者から聞こう「自分をプレゼン」を立正大学で実施した。6名のALS患者とその支援者が25分ずつプレゼンして、質疑に応答した。
9月4日には、福祉ものづくりシンポジウム@桂台 立正大学と社会福祉法人「訪問の家」共催
 訪問の家のメンバーが使用している福祉ものづくり機器の利用体験を中心に、重い障害があるメンバー3名が、自分をプレゼンする。最後に「ものづくりカフェ」を開催して、桂台地区で福祉ものづくりボランティアのネットワークを構築することを目指した。
10月13日「ALS患者さんから聞く 自分をプレゼン」@大阪 立正大学文学部哲学科大阪大学臨床哲学研究室主催 於:大阪大学。ALS夏合宿と同時開催し、「ひとごこち」の技術指導をお願いしているALS近畿ブロック技術ピアサポータ久住純司さんと「ひとごこち」モニターをしていただいている和歌山のALS協会会員(患者)林静哉さんをお招きし、学生はお二人のプレゼンを聞いて「ひとごこち」製作の中間報告をする。その後モニタリングを対面で行いつつ、久住氏から技術指導を受けた。
11月8日、12月20日、1月10日には、立正大学に訪問の家「朋第二」のメンバーさんやALS患者を招き、「重症心身障害者、ALS患者さんに聞こう」という公開講演会を開催した。また11月30日には、佐久間新さんを訪問の家「朋」と十愛療育会「港南」にお招きして、身体表現のワークショップを行った。
3月10日にALS技術ピアサポータ久住純司さんと和歌山のALS協会会員(患者)林静哉さん宅を訪問し、10日には大阪大学で身体表現のワークショップに学生と参加した。
3月15日には、 福祉ものづくり報告会@桂台を開催した。同報告会は毎年実施しているが、今年度は訪問の家の事業所利用者の親と地域のボランティアも招いて報告した。