【H30年度第3種】新興国でのインフラ整備における知識共有の困難性要因としての利益相反の複雑性

担当:

経営学部 准教授 高橋俊一

内容:

上掲の研究課題は、2016年度までの科研費研究(「多国籍企業の海外拠点における多文化チーム内の知識移転に関する国際比較」、課題番号:26590065)に関連することから、2018年度においては、その成果を論文として公表した(下記参照)。

一方で、これまでの科研費研究で対象としていた「インフラ産業」は、政府が主導し大企業が関与するものが主たる対象であったために、実態調査に困難を極めた。そのため、実現可能性が高く、かつ希少性の高い研究(計画)にすべく、海外インフラプロジェクトの分野や対象企業を絞り込んだ。その結果として:

(1) とりわけ今日においては、海外においても個人起業や中小企業の関与が可能な、電源開発、マイクロファイナンス、農業といった分野を対象とした調査へシフトした。
(2) 「プロジェクト」ではなく、企業における知識共有と、その際の利益相反について焦点を変えた。
(3) 昨今のものだけではなく、その史的経緯や展開についての探索に重点を置いた。

そのような経緯から、2019年2月に米国・ハワイにおいて、日本人海外起業家としての日系移民が関わってきた農業やインフラ産業に関する史的経緯に関する調査を実施した。なお上掲調査の成果については、2019年度前半に学内紀要および学会誌への投稿のために執筆している。

また、その執筆のためのフィードバックを得るべく、2019年6月18日〜19日に、京都大学で開催されるIFEAMA(International Federation of East Asian Management Associations)大会にて、報告する予定である。