【H30年度第3種】日本中世社会における社会関連資本としてのネットワークに関する研究 

担当:

文学部 特任講師(III種) 亀井ダイチ利永子

内容:

平成29年度に申請した研究は、英語圏の日本史研究ではあまり研究の行われていない日本中世史における公家社会について比較史的なアプローチで研究を行い、日本史を世界史の枠に位置づけるため、主に英語圏に向けて研究結果を英語で発信するものであった。目的や独創性、また波及効果については比較的適切な内容であったと考えているが、申請した小分類の「日本史」のカテゴリーの中では、テーマがやや広範囲にわたりすぎ、先行研究の中に自分の研究の立ち位置を効果的に示せず、その点審査員にアピールするには不充分であったと思う。そのため、30年度の調書作成にあたっては、日本史の枠ではなく比較史の先行研究の中に自分の研究を位置付けることによって、研究の目的を明確に示し、より強く独創性と波及効果を中心に研究の意義を審査委員にアピールしたいと考え、申請カテゴリーを変更することを視野に入れた上で研究を進めた。
今回の研究支援費(第3種)の対象研究に選定されたことにより、国内外の先行研究や国内外の関連研究の最新の動向について詳細に調査することが可能になった。また海外での研究報告や共同研究を通し、現在行っている英語での日本史教育の方法と、今までの英語圏での日本研究との有機的な結びつきについての検討が必要であることを実感したため、30年度の申請調書作成の際にはそちらに重点を置き、英語力の向上とグローバル視野の育成を中心とした研究計画に修正し、外国語教育で申請したところ採択に結びつけることが出来た。センター支援費での研究費によりあらたな研究の視点を養い、研究実績の増加とともに本研究の学術的および社会的な意義を明らかに出来たことが採択へ繋がったと思われる。