【H30年度第5種】比企丘陵における農業遺産登録申請を目指した風土共創による地域活性化に関する研究


担当:

地球環境科学部 教授 後藤真太郎
埼玉福輿株式会社/一般社団法人 農福連携自然栽培パーティ全国協議会関東ブロック代表  新井利昌
一般社団法人埼玉を食べる代表 安部邦昭

内容:

1.概要
比企丘陵で1500年以上の歴史の中で養われたため池農業文化に改めて着目し、日本・世界農業遺産に登録申請するため、滑川町、熊谷市、深谷市、東松山市、小川町、嵐山町、吉見町、寄居町で構成される比企丘陵農業遺産推進協議会が2017年7月に発足したことを受け、これを維持するために、農業遺産登録申請をテコにして比企丘陵に位置する自治体の活性化を目指すことは必然である。ため池農業文化は、1500年以上前から農業を営んで生活していくために地域資源である風土を利用しながらヒト、モノ、生き物、自然をトータルなエコシステムとして共創されて形成されたものである(本研究ではこれを風土共創と称する)。
本研究では、ため池農業文化が風土共創の賜物であることに着目し、この文化を再認識するとともに次世代に向けて維持するという地域課題に対応するため、地域活性化に結びつける活動につき、関係者と共に考え共に創るための調査・分析・実装を行う。この過程で、本学学生が参加することにより、学生への教育効果を狙いとするものである。

2.背景と目的
対象地では、ため池地形に位置する谷津田を拠点にして、地域の誇りになるような農産物のブランド化、6次産業化、環境保全、環境教育、エコツーリズムなどを組み合わせながら地域の活性化を行う必要がある。 本研究は、日本・世界農業遺産に申請する機会を好機ととらえ、比企丘陵の風土共創の調査および見える化、谷津田を利用した環境保全型農業による6次産業化、農業遺産登録申請支援につきアクティブラーニングによる研究教育および事業化を行う。

3.方法と結果
本研究では、比企丘陵における地域の共同性の可視化のための冊子「比企丘陵の風土共創」につき学生と共同編集を行って出版した。さらに別事業で6次産業化の具体化(日本酒醸造・販売など)、農福連携を視野に入れた環境保全型農業化準備を行う。なお、日本酒醸造については、滑川町、熊谷市の関係者の期待する内容でもあるので、大学の日本酒プロジェクトとの融合を順応的に調整しながら行うものとする。また、環境保全型農業に関する事業については大学のブランディング事業との連携につき調整を試みたが年度内には調整不能であった。

4.PDFポスターリンク
H30第5種ポスター(後藤真太郎)